車を所有していると、自動車税や自動車重量税など、さまざまな税金がかかります。
車の税金と聞いて最もイメージするのは、毎年5月に納める「自動車税」ではないでしょうか。4月1日時点での車の所有者に課されるこの自動車税/軽自動車税の他に、車を購入した登録時や車検時に収める「自動車重量税」など、本記事では自動車税の具体的な金額、税金の支払い時期、節税になる車の購入タイミングや、新車を購入した際にかかる税金のシミュレーションも紹介します。
令和8年(2026年)4月の税制改正により「環境性能割」が廃止され、新車購入時の初期負担が軽減されました。最新の税金シミュレーションも第5章で解説しています。
- 目次
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1. 車の税金にはどのような種類がある?
車の税金は、大きく分けると以下の4種類でしたが、2025年12月に決定された「令和8年度税制改正大綱」によって車の税金は大きく変化しました。
- 自動車税/軽自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割(※令和8年(2026年)3月31日廃止)
- 消費税
※2019年の税制改定で「自動車取得税」に代わり、購入時に燃費性能に応じて0〜3%課税される「環境性能割」が導入されていましたが、令和8年(2026年)3月31日に環境性能割は廃止されました。
これにより、現在車の税金は主に「自動車税/軽自動車税」「自動車重量税」「消費税」の3つで構成されています。
各税金の課税時期や納付先、税額が決められる要素は以下のとおりです。
※リンクをクリックかタップすると詳細説明にジャンプします。
| 課税時期 | 納付先 | 税額を決める要素 | |
|---|---|---|---|
| 自動車税/軽自動車税 |
毎年4月1日 |
普通車...都道府県 |
排気量等 |
| 自動車重量税 | 新規登録(新規検査)時 車検時 |
国 | 車の重さ等 |
| 消費税 | 購入時 | 国、地方 | 本体価格 |
※2026年度は5月31日が日曜日のため、6月1日が納付期限の場合あり
以下より、それぞれの税について詳しく解説していきます。
2. 自動車税/軽自動車税 一覧
自動車税は所有する車を財産とみなし、そこに課される財産税です。自動車税として集めた税金は、道路の整備などに役立てられています。
自動車税の税額
自動車税/軽自動車税の税額は、総排気量や最大積載量、用途(乗用車・トラック等)などによって決定されます。
なまた、2019年に税制が改正されたことにより、新車の新規登録時期が2019年9月30日以前か、2019年10月1日以降かによっても税額が異なります。なお、自家用乗用軽自動車に関しては一律の税額です。
|
種別 |
排気量 | 2019年9月30日までに新規登録した場合の税額 | 2019年10月1日以降に新規登録した場合の税額 |
|---|---|---|---|
| 自家用乗用軽自動車 | ― | 10,800円 | 10,800円 |
| 自家用乗用車 | 排気量1000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
| 1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 | |
| 1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 | |
| 2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 | |
| 2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 | |
| 3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 | |
| 3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 | |
| 4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 | |
| 4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 | |
| 6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円 |
上記が自動車税/軽自動車税の基本の税額です。
自動車税のグリーン化特例(軽課)
現在、環境に配慮した税制「グリーン化特例」が導入されており、適用期間中に新規登録(新規検査)した、排出ガス性能および燃費性能に優れた車に対しては、翌年度1年間だけ自動車税/軽自動車税の税額が概ね75%軽減(軽課)されます。
自動車税のグリーン化特例(重課)
一方で、新規登録(新規検査)から年数が経つと環境負荷が大きいとされ、税金が上乗せされます。
自家用乗用車の場合、新規登録から11年以上経過したディーゼル車、新規登録から13年以上経過したガソリン車(ハイブリッド自動車を除く)・LPG車は概ね15%増税に。
自家用軽自動車に関しては、新規検査から13年経過すると、税額が概ね20%アップします。ただしハイブリッド車や電気自動車などは、重課の対象になりません。

自動車税/軽自動車税の支払時期
5月上旬頃、車検証に記載された住所に納税通知書が届きます。納付期限は、5月末日に設定されていることが多いですが、自治体によって期限が異なる場合があります。
納付期限を過ぎると延滞金が加算されますので、納税通知書が届いたら期限を必ず確認し、期限内に納付しましょう 。
支払い方法は、以下のような方法があります。ただし自治体によってすべての支払い方法に対応していないこともあるため、納税通知書で支払い方法を確認しましょう。
- 銀行などでの現金支払い
- 口座振替(事前申込が必要)
- クレジットカード
- スマホ決済アプリ
- ペイジー
自動車税・軽自動車税の詳細は、以下の記事でも紹介しています。
3. 自動車重量税
自動車重量税の税額
自家用乗用車の自動車重量税は、車両重量0.5トンごとに4,100円(年)の税金がかかります。自家用軽自動車の自動車重量税は、車両重量にかかわらず一律3,300円(年)です。
ただし、自家用乗用車・自家用軽自動車ともに新規登録(新規検査)から「13年」「18年」経つと、環境に与える負荷が大きいとされ、基本税額が上がります。
自家用乗用車の場合、13年経過すると車両重量0.5トンあたり年間5,700円、18年経過すると車両重量0.5トンあたり年間6,300円に。自家用軽自動車の場合は、13年経過すると年間4,100円、18年経過すると年間4,400円に増額します(詳細は後述しますが、電気自動車などのエコカー減税対象車は重課の対象になりません)。
自家用乗用車の自動車重量税

軽自動車の自動車重量税

自動車重量税のエコカー減税
環境性能に優れるエコカーとして認定を受けた車はエコカー減税の対象となり、自動車重量税が免税または減税されます。
エコカー減税とは、環境に優しい車への乗り換えを促進するために2009年に設けられた税制優遇措置です。適用されると、新規登録(新規検査)時および2回目の車検時に納める自動車重量税が免税または減額されます。
また、2025年12月に決定された「令和8年度税制改正大綱」で、エコカー減税は令和10年(2028年)4月末まで2年間延長されることが決まりました。
- 燃費基準の厳格化: 令和8年5月以降、減税・免税の燃費基準が段階的に引き上げられます。現在減税対象の車種でも、基準未達により次回車検で実質増税(減税幅の縮小)となる場合があります。
- EV等の免税継続: EVやFCVは従来通り新車登録時および初回車検時に、免税措置が適用されます。
エコカー減税については、以下の記事で詳しく紹介しています。
自動車重量税の支払時期
自動車重量税の支払い時期は、新車購入時の新規登録(新規検査)時および継続車検時です。
車検を業者に依頼する場合は、業者が車両重量税の支払いも代行してくれます。ユーザー車検など自分で車検を行う場合には、運輸支局もしくは軽自動車検査協会事務所・支所にて、自動車重量税納付書に税額分の印紙を貼り付けて納付します。
なお、自家用乗用車の自動車重量税に関しては、2023年1月から、クレジットカードによるスマホ決済もできるようになりました(事前登録が必要)。
自動車重量税の詳細は、以下の記事でも紹介しています。
4. 消費税
消費税額
現在の税率は、10%です。
※2026年4月時点。
5. 車にかかる税金はいくら?
2026年3月31日に「環境性能割」が廃止されたことで、新車購入時の税金負担は全体的に軽減されました。
しかし、2026年5月からは「自動車重量税(エコカー減税)」の基準が引き上げられる見込みのため、「燃費基準をどれだけ達成しているか」による税額の差は依然として存在します。
ここでは、2026年5月に新車(コンパクトカー)を購入した場合を想定し、燃費の良い「ハイブリッド車」と、一般的な「ガソリン車」でどれくらい税金が変わるのかをシミュレーションします。
比較を分かりやすくするため、以下の同じ条件の車を購入したと仮定します。
<条件>
- 購入時期:2026年5月
- 車両本体価格:250万円
- 排気量:1500cc
- 車両重量:1.2トン
- 登録月:2026年5月登録
| ハイブリッド車(HEV) ※燃費基準85%達成 |
ガソリン車 ※燃費基準60%達成 |
||
|---|---|---|---|
| 自動車税 (購入年・10ヶ月分) |
25,400円 | 25,400円 | 年額30,500円を月割りした10ヶ月分。 ※翌年度はHEVのみグリーン化特例で減税の可能性あり。 |
| 自動車重量税 (購入時・3年分) |
11,200円(50%減税) | 36,900円(減税なし) | 2026年5月1日以降のエコカー減税新基準。85%達成は50%軽減、未達成は本則税率。 |
| 環境性能割 | 0円 | 0円 | 2026年3月31日をもって廃止。 |
| 消費税 | 250,000円 | 250,000円 | 本体価格の10% |
| 合計 | 286,600円 | 312,300円 | 差額25,700円 |
※2024年3月時点の情報です。
2026年5月以降の新しいエコカー減税基準は、「令和8年度税制改正の大綱」に基づいています。
減税のハードルが従来よりも引き上げられているため、購入予定の車が最新の減税対象になるかどうかは、国土交通省の案内やメーカーの公式カタログで必ず確認しましょう。
6. 車の税金を安く抑える方法
以下、それぞれの詳細について解説します。
環境性能の優れた車を選ぶ
燃費の良い車や、排出ガスの少ない車に対しては特例や減税制度があります。例えば、「グリーン化特例」は自動車税/軽自動車税が減税に、「エコカー減税」は自動車重量税が減税・免税になります。
グリーン化特例→自動車税/軽自動車税が軽減
グリーン化特例は、「電気自動車」「燃料電池自動車」「天然ガス自動車(※1)」「 プラグインハイブリッド自動車(※2)」などの排出ガス・燃費性能の良い車に対して、排気量に応じて課税される「自動車税/軽自動車税」が軽減される制度です。
適用期間中に、新車の新規登録を行った場合と、減税対象車(三輪以上の軽自動車)の新規検査を行った場合に、翌年度分の税額が概ね75%減免されます。
※1平成21年排出ガス規制NOx10%以上低減又は平成30年排出ガス規制適合。
※2普通自動車のみ。
エコカー減税→自動車重量税が軽減
エコカー減税とは、排出ガス・燃費性能の良い車に対して、自動車の車両重量に応じて課税される「自動車重量税」が減税・免税される制度です。
適用期間中に新車新規登録(新規検査)等を行った場合に適用され、1回のみ優遇措置を受けられます。
排出ガス・燃費性能の度合いによって軽減率は異なり、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車は免税。それ以外のガソリン車やLPG車は、2030年度燃費基準の割合によって、25%〜100%減免されます。
税額が抑えられるタイミングで車を登録する
車を登録するタイミングによっても、税金を節約することが可能です。
まず、自動車税ですが、年度の途中で新車の新規登録をした場合、登録の翌月から、翌年3月31日までの月割りの額が課税されます。例えば、5月1日に新規登録をしても、5月30日に新規登録をしても、課税対象となるのは6月分からです。ですので、4月1日以降の毎月1日に新規登録されるスケジュールで購入すれば約1か月分を節約できるということになります。
一方、軽自動車税には、月割りの制度はありません。しかし、軽自動車税は4月1日時点で車を所有している人に対して課税されるものなので、車の新規検査が4月2日以降であれば、その年度は課税されません。ですので、軽自動車の場合は4月2日に登録をすれば、約1年分の軽自動車税を節約できるのです。
7. 監修コメント
「税」がつく言葉を聞くと、税務署を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、税務署がすべての税金を扱っているわけではありません。税務署が扱う税金は、所得税や相続税などの国税庁が所掌する国税です。
毎年春に車の所有者や使用者に課税される自動車税/軽自動車税は、国税ではなく地方税です。分からないことがあった場合は、普通車は都道府県の税事務所、軽自動車は市区町村の役所に問い合わせるとよいでしょう。車に関する税金は問い合わせ先が分かりにくいこともあり、「自動車税コールセンター」を設置している自治体もあります。
