自動車保険

飛び石でフロントガラスに傷やヒビが入ったら車両保険は適用される?

更新

2025/01/27

公開

2019/02/20

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道路を走行中、突然フロントガラスにヒビが入ってしまう原因の多くは、車体に石がぶつかる「飛び石」にあります。飛び石によってフロントガラスに傷がつくと、突然の出来事に頭が真っ白になって混乱するかもしれません。本記事では、飛び石が起こる理由や修理方法、走行中にフロントガラスに傷やヒビが入ったときの対処法、車両保険を使用するかどうかを判断する方法などを紹介します。

目次

    1. 飛び石が起こる理由

    道路を走行しているときに、車体に石がぶつかる「飛び石」の被害は、道路上に散らばっている小石を車のタイヤが巻き上げて跳ね上げたり、大きいタイヤを装着している車両のタイヤの溝に挟まっていた石が外れたりすることで起こります。

    飛び石が後続車などに当たってしまうと、当たった部分に傷が付いたりヒビが入ったりすることがあります。

    特に、大きなタイヤを装着しているトラックなどは、タイヤの溝にやや大きめの石を挟みやすく、重量がある分勢い良く後ろに飛ばしてしまう可能性があり、飛び石の被害も大きくなるでしょう。

    飛び石はどこでも発生する現象ですが、走行している場所や状況によって被害の程度が異なります。例えば、高速道路で走行している状況では石が高く跳ね上げられ、相対的に速度も大きくなるため、後続車などに当たったときのダメージが大きくなる傾向があります。

    ガラス以外の部分に飛び石が当たった場合の被害は、小さなへこみや塗装の剥がれが生じる程度にとどまることがほとんどです。しかし、フロントガラスに飛び石が当たった場合、クモの巣のような形状の亀裂やヒビが生じ、前方が見えにくくなるケースがあります。

    飛び石の被害を受けやすい車の特徴、季節

    基本的に車高が低い車は、飛び石の軌道に入ってしまう可能性が高いので注意しましょう。また、フロントガラスの角度が垂直に近い車も、直撃しやすい傾向があります。

    冬タイヤの装着時も飛び石が発生しやすくなります。これは、夏タイヤに比べて冬タイヤの方がやわらかく、小石を挟みやすいことが原因です。また、路面に雪がなく乾燥していることも、飛び石が発生しやすくなる要因です。

    2. 飛び石によるフロントガラスの傷は修理できる?

    飛び石によるフロントガラスの傷が小さい場合は、ホームセンターや自動車用品店などで販売されているガラスリペアキットを使うことで修理できます。

    ガラスリペアキットは、フロントガラスの傷を修理するためのアイテムです。傷がついてしまった部分に専用の補修液を流し込むことで、フロントガラスの傷口を補修できます。

    市販のキットは、補修に必要な道具だけでなく、手順を確認できる取扱説明書もセットになっています。車に詳しくない方でも、取扱説明書の手順に沿って作業すれば大きなミスなく補修できるでしょう。

    ただし、キットの補修液で修理できる傷は、数ミリ〜1cmの小さい傷に限られます。これらで補修が難しい大きな傷の修理は、専門業者に依頼する必要があります。

    なお、フロントガラスの傷が1.5cm〜2cm以上ある場合は、専門業者でも修理を行うのが難しく、フロントガラスそのものを交換する可能性があるため、注意が必要です。

    3. フロントガラスの修理・交換にかかる費用の目安

    フロントガラスの修理を専門業者に依頼する場合、自動車ガラス専門店とディーラーのどちらに依頼するかで費用が変わります。修理費用の目安は以下のとおりです。

    修理依頼先 修理費用の目安
    自動車ガラス専門店 10,000円~15,000円程度
    ディーラー 20,000円~40,000円程度

    一方、前述したガラスリペアキットは、自動車用品店やホームセンター、インターネット通販サイトなどで数千円台にて販売されています。

    なお、最初は小さなヒビであっても、次第に亀裂が広がってくる場合があるため、修理工場などでは「フロントガラスの交換」をすすめられるケースがあります。

    交換に要する料金は車種・型式によって異なりますが、一般的にはガラス代と工賃の合計で50,000円~100,000円程度が相場です。

    4. 飛び石によるフロントガラスの傷に車両保険は適用される?

    加入中の自動車保険の契約内容によっては、飛び石によるフロントガラスの損傷に対して車両保険による補償が適用される可能性があります。

    車両保険とは、車に損害が生じたときにその損害に応じた保険金を支払ってくれる保険です。商品やプランによって補償範囲は異なるため、まずは契約している自動車保険の補償内容を確認しましょう。

    なお、飛び石によってフロントガラスに傷やヒビが入った場合、SOMPOダイレクトの「おとなの自動車保険」では、車両保険の補償のうち「飛来中や落下中の他物との衝突」に該当します。

    そのため、すべてが補償される「一般車両保険(一般タイプ、ワイドカバー)」や「一般条件」という補償タイプだけでなく、補償の範囲が限定される「車対車事故および限定危険補償特約」がセットされている場合も支払いの対象(※)です。

    車対車衝突危険限定特約をセットしている場合(「火災・落書き・台風」の補償がセットされていない場合)、ご契約のお車が飛び石で受けた損害は補償されません。

    なお、車両保険について詳しくは以下の記事もご覧ください。

    関連記事
    車両保険とは?加入すべきか、加入する際の注意点などについて解説

    5. 車両保険を使用するときの注意すべきポイント

    飛び石でフロントガラスに傷やヒビが入って、修理するために保険を使う場合、注意する点はあるのでしょうか。

    車両保険の自己負担額(免責金額)が発生する場合がある

    車両保険には自己負担額(免責金額)を設定できます。自己負担額とは、車に生じた損害のうち契約者が自己負担する金額で、契約時に設定することができます。

    例えば、自己負担額を10万円とした場合、修理代が30万円なら、10万円は契約者の自己負担額となり、残りの20万円が保険金として支払われます。

    車両保険に設定できる自己負担額は商品によって異なります。例えば、「おとなの自動車保険」では、以下A〜Gの7パターンから車両保険に設定する自己負担額を選べます。

    パターン 1回目の事故の自己負担額 2回目以降の事故の自己負担額
    A 0万円 0万円
    B 0万円 10万円
    C 5万円 5万円
    D 5万円 10万円
    E 10万円 10万円
    F 15万円 15万円
    G 20万円 20万円

    なお、車両保険に設定する自己負担額は、保険料の金額に影響することを覚えておきましょう。

    車両保険の自己負担額が少ない場合は事故時の経済的負担を減らせるものの、それだけ保険料が高くなります。一方、自己負担額が多い場合は事故時の経済的負担が増えますが、その分保険料が低くなります。

    車両保険を使用すると等級が下がる

    車両保険を使うことで修理代が補償されますが、「飛来中、落下中の他物との衝突」が事故原因と判断された場合は、翌年度からの等級が1等級ダウンし、「事故有係数適用期間」が1年加算されることになります。

    つまり、等級ダウンにより翌年度の保険料が高くなります。そのため、トータルで考えると保険を使わずに修理代全額をご自身で支払った方が安くなる場合もあるということです。

    車両保険を使う場合は、その点を慎重に考える必要があります。

    なお、「おとなの自動車保険」では、修理やフロントガラス交換にかかる費用が分かった段階で専任の担当者に連絡すると、翌年度からの等級や「事故有係数適用期間」の変動とともに保険料について案内されます。

    また、保険を使って修理した方が良いのか、使わない方が良いのかなどの具体的なアドバイスを受けられます。

    6. 走行中、飛び石でフロントガラスに傷やヒビが入った時の対応

    以下で、走行中に飛び石でフロントガラスに傷やヒビが入ったときにとるべき対応を4つ紹介します。

    安全な場所に車を停める

    運転中にフロントガラスに傷やヒビが入ったら、まずは安全な場所に停車することが重要です。高速道路を走行中の場合は、自走が可能であれば最寄りのサービスエリアもしくはパーキングエリアへ入るようにしてください。

    「小さい傷で運転に支障がないから大丈夫」といってそのまま走行するのではなく、どんなに小さな傷やヒビでも一旦停まってチェックしましょう。

    傷の状況の確認

    車を安全な場所に停めたら、傷やヒビの場所・サイズを確認します。

    傷やヒビの場所がフロントガラスの端に近い場合や、傷やヒビのサイズが2cm以上で損傷が大きい場合は、修理が必要になります。そのまま走行を続けると、傷が大きくなる恐れがあるので、速やかにロードサービスに連絡しましょう。

    可能なら応急処理をする

    飛び石でフロントガラスに傷やヒビが入った場合は、応急処置として傷口に保護フィルムやテープを貼ると良いでしょう。

    修理可能な小さな傷でも、傷口内部に汚れがあると上手く補修液を流し込めず、修理が難しくなってしまいます。しかし、傷口に保護フィルムやテープを貼っておけば、ゴミや汚れが入りにくくなり、後に傷の修理がしやすくなります。

    自走できないときはロードサービスへ連絡

    フロントガラスに入った傷やヒビが大きくて前方が見えづらいなど、安全に自走ができない場合は、ただちに安全な場所に停車して、保険会社やロードサービス会社へ連絡してください。レッカーを手配してもらえます。

    レッカーが来るまでは、安全な場所で待機しましょう。

    7. 飛び石事故で賠償請求はできる?

    飛び石事故で損害賠償を請求するためには、石を飛ばした車両・運転者を特定し、その車両・運転者によって被害が生じたことを立証する必要があります。また、相手に故意または過失があることが証明されなければ賠償が認められないため、簡単なことではありません。

    石を跳ね飛ばした相手を特定し、損害賠償を請求することは困難であることを認識し、万が一に備えて車両保険のセットをご検討ください。

    8. フロントガラスに傷やヒビがあっても車検は通る?

    フロントガラスの傷やヒビが1cmを超えると車検は通らないため、修理したうえで車検を通す必要があります。

    フロントガラスは運転者の視野を確保しなければならない

    「道路運送車両の保安基準の第29条(窓ガラス)」によると、フロントガラスは損傷した場合においても「運転者の視野を確保できるもの」であり、透明で視野を妨げず、ひずみや可視光線の透過率が基準に適合しているものでなければならないと記されています。

    つまり、フロントガラスは運転者が運転するときに必要な情報を妨げてはならず、傷やヒビが入っていると視野の妨げになる可能性があるため、車検に通らないということです。

    9. 飛び石被害を回避する方法

    飛び石被害を100%回避する方法は不可能ですが、被害にあう確率を低くする方法を2つ紹介するので参考にしてください。

    車間距離を十分に保つ

    飛び石被害にあう確率を下げるためには、前方の車との距離を充分に保つことが大切です。

    特に、舗装されていない砂利道を走行するときは車間距離を長めに確保し、慎重に走行しましょう。

    トラックの後ろを走らない

    先述のように、大きめのタイヤを装着しているトラックなどの車両は、タイヤの溝にやや大きめの石を挟み込み、勢い良く後続車両に飛ばす可能性があります。トラックの後ろを避けて走行することも、飛び石による甚大な被害を避けるうえで重要です。

    また、対向車にトラックなどが多い場合も注意が必要です。正面から石が飛んでくる可能性もあるので、高速道路の追い越し車線は長く走行しないように心がけましょう。

    10. 飛び石によるフロントガラスの傷はすぐに対処しましょう

    飛び石によるフロントガラスの傷やヒビは、運転の妨げとなります。走行中にフロントガラスに傷やヒビが入ったら、どんなに小さなものでも油断せず、安全第一で適切な行動を心がけましょう。

    また、自動車保険の契約内容によっては、飛び石によるフロントガラスの損傷などに対して車両保険の補償を受けることができます。

    飛び石による損害が、車両保険の補償対象となるかどうかは契約内容によって異なるので、現在の契約内容を今一度確認しておきましょう。

    なお、「おとなの自動車保険」では、車両保険の補償のうち「飛来中や落下中の他物との衝突」に該当します。

    支払い例など、詳しくは以下もあわせてご覧ください。

    飛び石被害の支払い例はこちら(「おとなの自動車保険」の場合)

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    新井 智美
    監修
    新井 智美(あらい ともみ)

    プロフィール:
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。

    資格情報:
    CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

    HP:https://marron-financial.com/

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